第2期黄金クインテットで極みに達したマイルスは、新たな領域に踏み出すべくエレクトリック・サウンドを導入していく。1969年2月にピアノ&キーボードにジョー・ザヴィヌルとチック・コリア、ハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムス、ジョン・マクラフリンらで『イン・ア・サイレント・ウェイ(原題:In A Silent Way)』を、ウィリアムスの後任に今年10月に亡くなったジャック・ディジョネットを迎えると、8月に『ビッチェズ・ブリュー(原題:Bitches Brew)』を録音。秋に再びニュー・クインテットでヨーロッパを巡った。本作はそのうち10月27日にローマで行われたライヴの音源を使用したアルバムである。